雨のブログ

人生の雨季に本を読む

【書評】学びを結果に変えるアウトプット大全(樺沢紫苑著)

『〇〇大全』が流行ってます

私は書店に行くことが好きです。書店の店頭で新刊本の表紙やタイトルを眺めているだけで、いろいろな人の関心事やトレンドが分かるからです。特にビジネス書の棚が好きです。「人に頼む技術」「チームが機能するとはどういうことか」といったタイトルの本が並び、自分と同じような悩みを持っている人が多いのだろうなと思わせてくれるところで変に安心できるからなんだと思います。

ビジネス書の棚で最近気づいたのは、『〇〇大全』というタイトルの本が多いなということです。目についたものを挙げると、

  • 『アウトプット大全』
  • 『インプット大全』
  • 『独学大全』
  • 『超リテラシー大全』
  • 『習慣化大全』
  • 『読書大全』
  • 『アイデア大全』
  • タイムマネジメント超大全』
  • 『起業大全』
  • 『リモートワーク大全』

等々。百科事典のような感覚でこれ一冊あればこのジャンルはとりあえず大丈夫と思わせる力が『〇〇大全』というタイトルにはあります。自分の知りたいジャンルに『〇〇大全』という本が出ていたらついつい手に取ってしまいますものね。

私はアウトプットの仕方に悩みがありましたので、『アウトプット大全』を手に取ったところ、はしがきにあった

人生を変えるのは、アウトプットだけ

という力強い言葉に惹かれ読むことにしました。

 

著者の紹介

『アウトプット大全』の著者である樺沢紫苑さんは精神科医。奥付によると月に20冊以上の読書を続けてもあるときちっとも成長していないことに気づき、意識的にアウトプットを強化しているとのこと。そのアウトプットがすさまじく、

  • メルマガ、毎日発行 13年
  • Facebook、毎日更新 8年
  • YouTube、毎日更新 5年
  • 毎日3時間以上の執筆 11年
  • 年2~3冊の出版 10年
  • 新作セミナー 毎月2回以上 9年

とのこと。ほんまかいな(調べる気にならないので一応信じます)。

インプットとアウトプットの黄金比は3:7

本書によれば、「インプットは「脳内世界」が変化するだけ。アウトプットして初めて「現実世界」を変える」ことができる、といいます。

ここでいうインプットとは「読む」「聞く」こと、アウトプットとは「話す」「書く」「行動する」こととされています。そして、目の前の現実を変えたいなら、どんどん話そう、書こう、行動しようと読み手を煽ります。

しかし、一般の人はインプットとアウトプットの比率は7:3で、インプット重視の方が多いそうです。私も本を読んでばかりでそれ以上何か行動することはありませんでした。調べものをして書類をつくったりプレゼン資料をつくったりする場合には多少のアウトプットがあったと思いますが、それでもインプットに対して3割程度しかアウトプットできていないと思います。

本書ではインプットとアウトプットの黄金比は3:7とし、インプットの2倍以上、アウトプットせよと書かれています。どうやってインプットの2倍以上のアウトプットを行うのかについて、80個のアウトプット方法を丁寧に列挙して解説しています。

読書感想テンプレート

特に私が取り入れたいのが「本を読んだら、必ずその感想を書く」ということ。そうすれば読みっぱなしにしておくのに比べて、本の内容が、圧倒的に記憶として定着するとされているからです。ただ、読書感想文は学生時代から苦手で、まともに書けた記憶がありません。そんな人向けに、本書では簡単な「読書感想テンプレート」を紹介しています。

それは以下の通りビフォー+気づき+TODOという3項目で感想を書くという簡単なものです。

 ビフォー:この本を読む前の私は〇〇でした。

 気づき:この本を読んで私は△△について気づきました。

 TODO:今後、××を実行していこうと思います。

なるほど、これくらいなら私にも簡単に読書感想文を書けそうです。読書感想文に正解はないので本を読んだら上記のテンプレートに沿って何らか感想を残し、それらをもとにブログに書くということをやっていけば良さそうです。

アウトプットのハードルを下げるカタログ

確かに、なんでもよいからアウトプットをしないと、現実世界に何らインパクトを与えることはできないのはその通りです。

しかし、アウトプットするということに構えてしまい、なかなか動き出せないのも現実です。私なんかは、本は読んだら読みっぱなし、映画を見て感動したら感動しっぱなしという状態のまま、今に至っています。

アウトプットにもピンからキリまであり、読んだ本の感想を家族に話すということも立派なアウトプットとしています。いまはスマホが常にそばにあるので、気に入ったフレーズをスマホにメモする、その場で音声でメモをとる、Twitterでつぶやくなど、さらにアウトプットのハードルは低く感じられます。

本書はいわばアウトプットカタログのように、80個ものアウトプット手段が心理学的な簡単な解説とともに挙げられています。どれか一つくらいはできそうだと思えるものがあるでしょう。読んでいる途中でアウトプットしたく(=現実世界を変えたく)なってきます。もうアウトプットするしかない。

日記とブログを始めます

私は本書を読んでまずは日記をつけることから始めました。一日数行でもよいのでできるだけ自分の内なる感情に目を向けて感情が動いたことを中心に書いていこうと思います。

また、このブログを始めることで、読書の記録をつけていこうと思います。そのなかではじめは書籍の内容の要約程度しかできないかも知れませんが、慣れてきたら思索を深めていき、自分の言葉でアウトプットできるように訓練していこうと思います。

こうして曲がりなりにもアウトプットを始められたのは、アウトプットすることのハードルを下げてくれた本書のおかげだと感謝しています。