雨のブログ

人生の雨季に本を読む

【書評】メモの変態が手帳をスマホに変えた理由(堀越吉太郎著)

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発信は人のためになる

『アウトプット大全』を読んで、インプットしたことをアウトプットしなければ現実世界に何らインパクトを与えない、ということが理解できました。

 

 

epascal.hatenablog.com

そこで、まずは簡単に読んだ本の感想を発信してみようと、スマホTwitterを立ち上げてみました。しかし、「こんなこと呟いたってみんなもう知っていることだよね」「最近読んだ本で新しく知ったことだけど、1年前に話題になった本だから今さら感があるよな」などと思い、なかなかツイートができません。

そんなときにふと書店の店頭で『メモの変態が手帳をスマホに変えた理由』を手に取り、中をパラパラめくっていたらこんなフレーズが目に飛び込んできました。

それでもやはり、多くの人が、どうしても人の目を気にしてしまって、本当にやりたいことができないままでいます。どうしたらよいのでしょうか?ひとつの解決策として「発信などの行動を起こすことは自分のためではなく、人のためになるのだ」と考えてみることをおすすめします。

そうか、まだ知らない人がいるかも知れない、まだその本を読んでいない人がいるかも知れない、そういう人のために発信していれば誰かの役に立つかも知れない、仮に誰に見てもらわなくたって自分の記録のためにもなる、そう思うと以前よりも気軽に発信することができそうです。

 

著者は元アナログな経営コンサルタント

本書の著者の堀越吉太郎さんは1973年生まれの経営コンサルタント。「選書する書店フォルケ」を運営。この書店は「人と人が出会い、人と本が出会い、人が成長するための優れたコンテンツの提供」をコンセプトとして、自分が好きな古典文学とビジネス書しか置かないブックサロンなのだそうです。

info.folkebook.com

古典文学やビジネス書だけで書店経営が成り立つのかと不思議でしたが、サイトを拝見すると、ブックサロンや選書料、飲食等の収入で経営を成り立たせているようです。複数の収入源を確保する点は、さすが経営コンサルタントが経営する書店です。

「ずるいスマメモ術」は真っ当なものだった

冒頭の引用部分は、本書の「第5章 ずるい発信のしかた」に書かれていました。

「第1章 ずるい仕事のしかた」では、紙のメモからスマホでのメモに移行するメリットについて解いています。

「第2章 ずるいメモのしかた」では、iPhoneのメモやEvernoteを使ってメモを活用する方法について解説しています。

「第3章 ずるい情報の集め方」では、Youtubeでのセミナー動画やZoomでのオンライン会議等の情報収集の方法を紹介しています。

「第4章 ずるいアイデアの出し方」では、chatworkやEvernoteで蓄積したメモ情報をもとにマインドマップや「トーラー分析法」といった手法を使ってアイデアに結びつける方法を解説してます。

「第5章 ずるい発信のしかた」では、メルマガやSNSでの活用事例を元に発信という行動を促しています。

「第6章 ずるい続け方」では、スマホのアプリを使った習慣化の方法を紹介しています。

これらのように何ら「ずるい」ことなく、スマホを使っていかに仕事を効率化できるかを分かりやすく本書は解説しています。

発信することについてのハードルが下がった

基本的にアナログの習慣をスマホを使ってデジタルに置き換えたら、検索性が向上するなどの情報の取り回しが容易になって便利になった、生産性が向上したということを言っています。そのことを情報収集、記録、グルーピング、思考の醸成、発信、習慣化の各段階に分けて分かりやすく解説してくれている本です。

正直に言って冒頭に引用したフレーズ以外、個人的には参考になる部分はありませんでした。なぜなら、Evernoteやchatworkなどのアプリも以前試したけど自分には合わなかったことがあったからです。

しかし、やはりアウトプットのためのマインドの転換(発信は自分のためではなく、他人のため)を促してくれ、ハードルを下げてくれた冒頭に引用したのフレーズに出会えたそれだけでも本書を購入した意味はあると思っています。そのおかげでこのブログも続けられそうです。

また、著者が運営する書店は完全予約制の書店(というかBar)のようですが、五反田駅近くにあるようですので、こんど予約して立ち寄ってみたいと思います。