「この会議自体、必要ですか?」
就業時間のちょうど真ん中あたり。午後1時から2時は魔の時間です。昼食後で腹が満たされた同じ職場の人から「仕事のことでちょっといい?」などと話しかけられます。同僚とのその場で始まるちょっとした話し合いなら害が無いと思うかもしれません。しかし、作業の中断は、ただの中断にとどまらないのです。作業への復帰までの時間を含めると実際にはかなり生産性を蝕んでいます。そしてその日の残業につながります。
それ以上に最悪な邪魔者は「会議」です。理由は以下の通り。
- 通常1分あたりごく少量の情報しか伝達しない。
- 会議の主題は容易に脇道にそれる。
- 会議には緻密な準備が必要だが、たいていはその時間がない。
- 誰にも目的がはっきりとわからないくらい曖昧な議題が用意されることが多い。
- 会議時間を休憩時間と勘違いして、無駄話で時間を無駄にする人が混じる。
- 会議は会議を生み出す。
加えて、会議がテレビ番組のようにスケジュールされるのも良くないことです。会議を30分か1時間の枠でスケジューラーに入れるのは、スケジューラーがそのように動くからです。しかし、会議の目的を達成するのに7分しか必要なければ、そのために使う時間は7分です。7分を30分に引き延ばしてはいけません。
それに会議の実際のコストは莫大です。1時間かかる会議を設定し、参加者を10人集めたとしましょう。これは実際には1時間の会議ではなく10時間の会議です。1時間の会議でのアウトプットと10時間分の生産力を交換しているのです。そしてそれは自分がおこなっていることを止め、会議に参加するため会議室に移動し、会議から戻ったら会議の前におこなっていたことを再開しようと頭を切り替える精神的な負担を考えると、おそらく12〜3時間分くらいにはなるでしょう。
果たして1時間の会議のために十数時間分の生産力を犠牲にしていいのでしょうか?時々はいいかもしれない。しかしこれはひどく高くつくことを知っておきましょう。それだけの価値がこの会議にあるか
この会議自体、必要ですか?
と自問してみましょう。
もし絶対に集まらなければいけないと決めたのであれば、次のような単純なルールを守ることで会議が生産的になるようにしましょう。
- アジェンダを事前にメンバーに配布する
- タイマーをセットする。タイマーがなったら会議は終了
- 可能な限り少ない人数しか呼ばない
- 常に明確な会議のゴールを設定する
会議のゴールには「決める」「生み出す」「伝える」「築く」しかない - チェックインでゴールを共有する
- 解決策(その解決策は一時的なものでも構わない)を出して終了し、誰かにそれを実行する責任を負わせる
なによりお勧めしたいのが、会議室の代わりに問題が起こっている場所で会うことです。実際のものを見たり、聞いたり、指差したりしながら議論することで、本質的な解決策が生まれやすくなるからです。
職場を変えるにはまず会議から、といきたいです。