雨のブログ

人生の雨季に本を読む

「中でも重要なのは、どれでしょうか?」

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期の途中で計画に達しないことが分かってきました。例によって挽回のための未達対策会議が開催されます。
そこで挽回のためのあらゆる施策がテーブルの上にあげられ、喧々諤々議論されます。
「新しいプロモーションをやろう」「この商品を重点的に売り込もう」「メーカーと共同で見込み客を回ろう」…

でも多くの素晴らしいアイデアも、一度に実現しようとすると一気にくだらないものになってしまうことがあります。やりたいことのすべてはなかなかできないもの。残された時間、使えるリソース、実行できる能力と制約条件はつきものです。期初に立てた1つの計画でも完璧にこなすことは難しいです。計画に達しないのはそのためです。同時に5つのことをうまくやれますか?そんな幻想は捨てたほうが良くないですか?

すばらしいアイデアのほとんどは、纏めてしまうとそこまですばらしいものではなくなります。もしそれらのアイデアが本当に魅力的なものであれば、後からでもやることができるはずです。

戦略を考える立場の人は『エッセンシャル思考』を持ち出すまでもなく、「あれもこれも」ではなく、「あれかこれか」を考えるべきです。より少なく、しかしより良く。
epascal.hatenablog.com
作家は、すばらしい本を作るために良い文章であっても削除します。
私たちも、どんどんアイデアは絞って、それを研ぎ澄ましていく必要があるのです。すばらしい期末を迎えたいなら、これと決めた施策をやりきりましょう。

私は未達対策会議でこう言うべきでした。

中でも重要なのは、どれでしょうか?

物事がうまくいかないと、人はその問題にさらに多くの人、時間、資金をつぎ込もうとしがちです。しかし、そうすることで問題が大きくなってしまいます。やるべきことは逆の方向、つまりやることを「減らす」ことです。減らしても事態は深刻にはならないはず。最終的にはさらに良い結果につながるいい機会でもあります。何が本当に重要なことかをこの機会に徹底的に見極めましょう。