雨のブログ

人生の雨季に本を読む

【書評】未来を共創する経営チームをつくる(鈴木義幸著)

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社外や社内含めていろんな価値観の方々と一緒に仕事をする機会が増えてきました。そういう方々とチームを組んでどうやったらうまく働けるだろうかと、チーミングファシリテーションなどの本を読んでいます。そこで得た知見を意識して現場で試してきました。私個人としてはできるだけ心理的安全な場をつくり、失敗をコントロールし、失敗から学ぶということを心掛けています。試行錯誤のおかげで、少しずつ誰とでも働ける心構えはできてきたように思います。

経営陣が最も「チーム」になれていない

そうして社内を見渡してみると、あまり成果が出せていないように見えるチームが目につきました。一番チームとしてまとまっていないのは、うちの取締役会。

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【書評】戦略質問(金巻龍一著)

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Photo by Christina @ wocintechchat.com on Unsplash
中小企業診断士として経営者とこんな丁々発止の真剣勝負をしてみたいと思える本でした。
著者が工業化と呼ぶ、調査や調整に何ヶ月もかけて大勢で作り上げる経営戦略策定のプロセスではとがった戦略もカドが取れて凡庸になりがち。いっそ戦略の核となる発想の部分だけを経営者とほか数名だけで40分一本勝負で固めていった方がエッジの立った戦略が出来上がるのではないかというアイデア。しかもコアな質問は10個だけ。ワクワクします。

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コロナ禍で入社した新卒社員の皆さんへ

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久しぶりの集合研修

新型コロナの変異株が取り沙汰されていますが、それでも以前よりは社会全体が落ち着いてきたこともあり、私の会社でも、2020年4月、2021年4月に入社した新卒社員の方向けに集合研修が企画されているそうです。

研修内容も大事ですが、人事部はそれ以上に今回はみんなで「集合」することが大事と考えているそうです。コロナ禍で入社依頼、じかに顔を合わせて話すことが少なかった新入社員のメンタル面を心配してのこと。確かに入社してから1年半、人が集まって仕事をすると言う経験が少ないと、本人たちも社会人になった実感が湧かないのではないでしょうか。想像できない境遇です。

休職明けの私が暇そうだからか、なぜか呼ばれて講評をすることになりましたので、話したいことを整理しておきます。

一日かけた集合研修の最後の講評の、さらにおまけ的な位置づけでしょうが、新卒社員のみなさんには3つお伝えしたいです。

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【書評】入門 組織開発(中村和彦著)

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なぜ、職場が楽しくないのでしょうか。働くなら楽しい職場で働きたい。そう思うのは私だけではなさそうで、活き活きと働ける職場をつくる「組織開発」という考え方があります。
「組織開発」とは組織のハードな側面(戦略、構造、人事制度など)だけではなく、「人」や「関係性」という組織のソフトな側面にも光を当てて変革に取り組むアプローチとのこと。組織開発を学んだら職場が少しは活性化するものでしょうか。南山大学の中村和彦教授による『入門 組織開発』を読んでみました。

  • 組織の人間的な側面の課題
  • 組織開発はソフトな側面の体質改善
  • 組織開発の掴みどころの無さ
  • 経営者に求められる信念
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【書評】ワークマン式「しない経営」(土屋哲雄著)

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だんだんと朝晩が寒くなってきたので、冬用の服を買いに「ワークマンプラス」に初めて足を踏み入れました。私の知っている「ワークマン」は以前のふつうの「ワークマン」で、工事現場のおじさん用の作業着が棚に入れられて売られている専門店というイメージでした。「ワークマンプラス」はタウンユースにも耐えられるデザインの服がカラフルにディスプレイされたおしゃれなお店になっていました。

この劇的な方向転換の仕掛け人とされるのがワークマンの土屋哲雄専務。土屋専務が書いた『ワークマン式「しない経営」』を読むと、そこには周到に準備されたシンプルな戦略が隠されていたことが分かりました。

  • 著者の紹介
  • 「しない経営」と「エクセル経営」の両輪
  • 「エクセル経営」の進め方
  • 「エクセル経営」による企業風土改革
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